
ケースは全てミラー仕上げで、まるでなるべく存在を消しているかの様。足もなるべく細く見えるように、2 段になっている。

全面ミラー仕上げなこともあり、平置きしたときに足より下側が見えないので、実物よりかなり薄く見える。

星座を結ぶ線は、実は決まっていません。また12 星座のイラストは早見盤からずれていますが、見栄えを優先されたそうです。

統一された斜体フォントは金色で、エレガンスさをより際立たせています。

4.5 ~ 1等級まで、丸点のサイズで表現されています。赤色、橙色、黄色の巨星はいくつか色分けされています。

特徴的な3 段のベゼルは、上2 段が角アール、一番下の段が角です。これにより強調されるのは一番下の角面で、上2 段の輪郭をぼかすので、より細縁に見えます。プレスで出されたラグの稜線の段差はミラー仕上げのおかげもあり、より滑らかで細く見えます。またベゼルより付け根の高さがあがっているため、より薄く見えます。裏を大きく刈り上げているので、平置きしたときにラグより下側が見えず、薄く見えます。薄く、細く、滑らかでエレガントに仕立てあがっています。
ENGINEER'S EYE
腕の上のミクロな宇宙
文字板全面に天体の動きを示す円盤を搭載、時刻と連動した輪列により円盤を回転させることで、天体の営みを表現する時計です。当時シチズンに在籍していた、天文の世界に魅了された一人のムーブメント技術者によって設計され、時刻の概念とも強いつながりのある天体の動きを高精度かつ精彩に表現した本モデルは、参考出展された1986年のバーゼル・フェアで大きな注目を集めたといいます。
開発においては、一年を通して変化する星の動きを限りなく小さい誤差で再現するために、当時はまだ一般的ではなかったコンピューターによる計算を導入。最適な減速比に落とし込まれた輪列によって、ムーブメント自体にはCPUのような電子的演算機能を一切搭載していないにもかかわらず、その誤差は恒星時換算で年間約1分にまで追い込まれています。
北半球で見える星空を表現した『全天』タイプ、南半球の空も合わせて表現した『新南天』タイプ、月齢の表現に特化されたタイプなど兄弟機も開発。後継機では天体の再現精度向上に加え、月の通り道や満ち欠けを表示する機能が追加されるなど、多彩な発展を遂げながら、今日まで歴史を紡いできました。
古来より人類は天体の動きで時間を認識していたことを考えると、天体を内包した時計が人類を魅了するのは必然であり、この時計の持つポテンシャルは100年を超えて1000年でさえ通用するものなのかもしれません。