
余計なものを一切取り除き、チタン素材の持つ色調、仕上げの美しさを表現することに特化したモデル。針などの各パーツの比率から軽さを感じさせるバランスにまとめられています。

ベゼルがない形状にも関わらず“薄い”印象を与える造形 ⇒ 時計本体からバンドまでつながる一体感のある処理。

仕上げは、ヘアラインに最も美しく光がはいるサークルヘアライン。両サイドのケースシルエットに沿う斜面と稜線はシンプルながら力強い印象を与えスポーティーさを感じさせます

ヘッド部の甲丸形状が肌触りのよいやさしい感じにつながっています。

チタニウムの色調に近い文字板全体のウォームグレー系の色調の構成は、ほっとさせる安心感をあたえます。

薄さを感じさせる大きな面形状⇒時計本体の重心が装着する腕に近づく⇒腕と一体化するケース形状。
心地よさを感じられる球面ガラスとケースへの面のつながり。

エッジのあるバンドですが、本体の曲面から滑らかにつながる心地よいアクセントとなっています。

チタニウム素材のもつ温かみをいかした仕上げ方向の設定と、“凹凸のない形状”⇒“ユーザーがいつまでも触れていたい”と感じさせるやさしい設計。
ENGINEER'S EYE
難加工材
シチズンの技術を象徴するチタニウムウオッチATTESAの初代モデルです。チタニウムは、軽く、錆びにくい金属として、人類初の月への有人宇宙飛行計画の宇宙船に採用された経緯もある素材です。
また、金属アレルギーを起こしにくいという特性もあり、シチズンは新世代の腕時計を実現するのにふさわしい素材としていち早く着目。1970年に世界初のチタニウムウオッチ「X-8コスモトロン・クロノメーター」を発売しました。
ただチタニウムは腕時計の素材として多くのメリットがある一方、粘性の高い金属のためプレス加工機を使って金型でケースやブレスレットの形に「抜く」ときも、柔らかく粘りがあるためにキレイにスパッと切れません。また化学的に活性が高く、化学反応を起こしやすいため、加工のときに表面が摩耗して溶けて、金型の金属に凝着してしまう「カジリ」という現象が起きてしまいます。
この克服のため、研磨技術の開発だけでなく、チタニウムという材料の特性そのものに着目し、材料技術の研究・開発にも取り組み、17年の研究開発を経た1987年、チタニウム素材をケースとブレスレットに使ったこのモデルの発売に至りました。