
センター部分が大きく張り出していますが、角度のある斜面と細縁ベゼルによって重く見えません。

日本刀のようにも、スポーツカーのボディのようにも見えてくる、特徴的なサイドビュー。

繊細さとダイナミックさを合わせもった造型。カン奥は面取りされていて、ストラップを奥まで入れる工夫。

Glorious CITIZEN 専用のマーク入りの美錠は高級感漂うこだわりの造り。

凝った造りの植窓や植マーク、山カットの植字がシンプルな中でキラリと光る文字板。

サイドのラインとラグ先端の面取りが特徴的なケース。仕上げを巧みに変え、光が流れたり、きらめくコントラストが大きな魅力に。

ケースのボリューム感と比較すると、針と時字が大人しく全体のバランスをとっています。

裏ぶたやりゅうずには“Glorious CITIZEN”のGCマークが銘板に施されています。
ENGINEER'S EYE
クロノメトリー道
とくに高精度な時計を製造することを「クロノメトリー」と呼びます。機械式ウオッチの場合、ひげぜんまいやてんぷの重力誤差、等時性(歩度のてんぷ振幅依存性)、日差の温度特性などを地道に改善し、決して0になることはない誤差を0に近づける努力をするのがその本質です。
ヨーロッパにおける精度追求の歴史は250年を超えますが、シチズンとしては1971年に発売されたグロリアスシチズン(GC)がその極北に位置します。平均日差は当時のクロノメーター規格-1〜+10[s/d]を超越する-2〜+3[s/d]。これも凄いですが、そのほかの特性についてもたとえば最大姿勢偏差については当時のクロノメーター規格12[s/d]以下に対し5[s/d]以下とするなど、このクラスの製品としては極限に近い出荷基準が設定されました。
入念にバランス調整されたてんぷ、内端に独自設計の曲線をほどこすことでグロスマン効果とよばれる重力誤差を低減させたひげぜんまいなど、投入された技術、技能がGCの価値を裏付けています。