
シャープな印象。ガラスもケースも直線的で大胆な面で構成され、フォルムを引き締めます。

外装に負けない端正なダイヤル。さっぱりしていながら立体的で、ガラスの向こうの世界に澄み切った空気を感じます。

目付けゼロの鏡面仕上げ。水晶のように輝くラグが特徴的。

鷲のマークはデフォルメされても威厳があります。

鷲が象られたメダルは風格があり、時計全体を引き締めています。ケース裏の斜面は薄く見せる効果と、ケースが単調にならないアクセントにも一役買っています。

曜窓はトラック型で「○曜日」とフルサイズで表記され、とても見易いです。
角ばった珍しいロゴは、判読性が高く光の反射が美しいです。

日窓も広く、内側の斜面が艶消しで光を抑えています
ENGINEER'S EYE
けだし名品
1962年発売の「シチズンクロノメーター」は今でこそ名機の誉れ高いモデルですが、手巻きノンデイト仕様であり、1960年代も後半になると、自動巻きや日付表示機能が付加されたモダンな高精度ウオッチが求められたのでしょう。1965年のヒット作、クリスタルセブンをファインチューニングし、「特別に設けた厳しい精度検査」に合格した時計がこの「クロノマスター」です。
発売は1967年、翌年には待望の日本クロノメーター検定協会が発足し、1969年から精度検定業務を開始。クロノマスターも初年度から公認クロノメーター品をラインナップさせました。
曜日付でムーブメント厚4.48mmという薄型設計を享受し、装着性はきわめて良好。それに加え、当時シチズンがリードしていた新基調であり、ゆるやかなドーム形状と外周部分にほどこされた面取りも美しいクリスタルガラスを採用。質感と気密性を高めています。パッケージングの良さが光る時計であり、名機というよりむしろ「名品」と呼びたくなるモデルです。